要望の優先付けにBacklogを活用 しくみデザインの要望管理に迫る

株式会社しくみデザインは今年で創業11年を迎える、福岡発のデジタルクリエイター集団です。同社がグローバル展開する「KAGURA」のプロジェクト管理には、Backlogが使われています。日増しに募っていくユーザーからの要望に対応するためにBacklogを導入したと語るのは、代表の中村俊介氏とチーフエンジニア中茂久也氏。ユーザーからの要望を実際にどう管理しているのか、また導入に至った背景をお伺いしてきました。

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–御社の事業内容をお聞かせください。

代表取締役 中村俊介氏(以下、中村氏):弊社は、テクノロジーを使って「ビジュアルな情報と音などの感覚的な情報をインタラクションさせる”仕組み”を作る」と言うコンセプトで、デジタルプロダクトの開発をしています。クライアントワークと社内プロダクト開発の2軸で事業を展開しています。

クライアントワークは、広告主と受け手をインタラクティブにさせるデジタルサイネージ、子供向け遊具にプロジェクションマッピングなどのデジタル要素を加えたデジタル遊具開発、ライブ会場などで歌い手と観客をインタラクティブにして、一体感を生み出すリアルタイムライブ演出などが挙げられます。デジタルテクノロジーを使ったサービスを企画から制作まで一貫して受けています。

自社プロダクトは、主に3つ展開しています。指と声だけで”音の鳴る絵”が作れる魔法のアプリ「paintone(ペイントーン)」と、プログラミング不要でアクションゲーム・パズル・絵本など、自分で考えたアプリが簡単につくれる「Springin’(スプリンギン)」。そして、2005年の創業当初から開発を進めている、身体を動かすだけで音楽を演奏することができる新世代楽器「KAGURA(カグラ)」です。

しくみデザイン 代表取締役 中村俊介 氏

テクノロジーを使って誰でも楽器の演奏を「できる」ように

KAGURAについて教えて下さい。

中村氏:KAGURAは、楽器の演奏ができない人でも簡単に演奏できる、次世代楽器です。身体の動きに反応する深度カメラを採用し、機械がひとの動きにあわせて自動でリズムをとるように作られています。ユーザーは、直感的な操作で画面に配置された楽器を自由に鳴らすことができます。初心者でもそれなりのリズムをとることができ、使い込むことで、プロのミュージシャンのようなレベルの高いパフォーマンスも可能です。オフィシャルでの販売は開始していませんが、先日クラウドファンディングサイトのKickstarterで支援金を募ったところ、見事に目標額に達成しました。今後は、国内のみならず海外にもサービスを展開していこうと考えています。

Kagura2013年12月の米・インテル社のコンペ Intel Perceptual Computing Challenge 2013で世界一となった「KAGURA」。

Backlogはどういった用途で利用されていますか?

チーフエンジニア中茂久也氏(以下、中茂氏):現時点では、KAGURAの管理に使っています。具体的には、ソースコードの管理とユーザーからの要望管理などに活用しています。

導入しようと思った理由をお聞かせください。

中村氏:2つあります。1つは、従来のクライアントワークに適用していたプロジェクト管理では通用しないと感じたこと。クライアントワークのプロジェクト管理は納期が決められていることが多く、最終的に納期までに間に合わせることができれば問題ないため、タスクの細かい管理まではしていませんでした。一方で、KAGURAなどの自社プロダクトは、納期が決まっておらず、いつまでに何をするべきか明確なゴール設定が難しい。さらに、ユーザーからの要望による仕様変更が頻繁に起こるので、タスクや目標などはなるべく細かく設定して、変更にすぐに対応できるようにしたい、と考えたのです。

中茂氏:2つめに、日増しに募っていく要望やタスクを1つに集約して整理できる場所が欲しかったこと。弊社は、一案件に付き開発者とデザイナー各1名で動くことが多く、従来は課題の量も膨大ではなかったので、タスクは口頭で直接伝えていました。なので、自分の仕事は基本的に、頭のなかで優先付けしていました。管理系ツールも使っていましたが、あくまでもコードのバージョン管理という目的で利用していました。しかし、KAGURAのプロジェクトを本格的に動かすようになってからは、社内外からの要望をはじめとした課題が一気に増え、自分の頭で管理することに限界を感じました。

SONY DSCしくみデザイン チーフエンジニア 中茂久也 氏

ユーザーからの要望をBacklogで優先付け

導入後の効果はいかがですか?

中茂氏:一番の効果は、要望を一括管理できるようになったことで、タスクの優先順位が付けられるようになったことです。ユーザーベースで機能を考えると、変更がどうしても多くなります。なので、一旦すべてBacklogに課題として登録して、優先順位やスケジュールはその都度組み替えています。要望を一元管理できるようになったことで、同じ要望が複数出た場合に優先順位を高くしようと自然と気付けるようになりました。

一番使っている機能は何ですか?

中茂氏:マイルストーンですね。2週間のタームで区切っています。次のバージョンをリリースするスケジュールを基準にして細かい設定をしています。具体的には、そのスケジュールに間に合う課題を選び、課題をマイルストーンに追加する、というやり方です。登録する課題は、要望などの外部的要素と開発の都合上必ず入れたい内部的なものを混ぜています。

今後Backlogをどのように使っていきたいですか?

中茂氏:将来的にはカスタマーサポート部署も作ろうと考えているので、そうした非エンジニア層にも使ってもらいたい考えています。他には、KAGURA以外のプロジェクトにも活用していきたいです。口頭でタスク依頼をすることが多いので、それらをすべてBacklogで管理するように移行していきたいです。

最後に、しくみデザインさんとヌーラボの創業年は一年しか変わりません。ユーザーから長年愛用されるプロダクトを作る上で気をつけていることは何ですか?

中村氏:どうしたらユーザーが楽しめるのかを常に考える、ことですね。弊社のものづくりの根底には、世の中の敷居が高くて難しいものを簡単にする、という考え方があります。例えば、プログラミングや楽器の演奏、広告に関してもターゲットの情報を集めるなど、最初は操作も慣れていなくて時間がかかってしまう。でも、こういうのは難しいからこそ、奥深くておもしろい。私たちは、テクノロジーを使うことで、こうした最初は難しいけど続けることでおもしろさを見出せるような物事の取っ掛かりを作りたいのです。

そのために、創業時から大切にしているのは「すごいは一度だけ。楽しいは何度でも」という考え方です。ユーザーが初めてプロダクトを使った時に「すごい!」という感想を持つことは、技術に気を取られていて心から楽しんでいない証拠です。すると、2回目に体験した時に「これ(技術)を知っている」という意見になってしまいます。すごいではなく「楽しい!」という感想がもらえることが、長年愛されるサービスを作る秘訣ですね。

SONY DSC会議用デスクにはレゴで作られた社名ロゴが飾られている。密かに散らばっている人型のキャラクターは、社員をモデルにして作られたそう。

ありがとうございました。

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