「NY TechDay」に出展しました ~イベントから学んだこと~

今日は、先月ニューヨークで開催された「NY TechDay(NYテックデー)」をレポートします。私たちヌーラボは、Cacooチームとして出展しました(内容は原文の日本語訳)。

Cacooを全米に広げるために

オンライン・ドローイングツールのCacooは、世界200カ国で160万人以上のユーザーに使っていただいています。アメリカでももっと多くの方に使っていただくために、昨年10月にニューヨークオフィスをオープンしました。以来、私たちNYチームは、ヌーラボやそのサービスを紹介したり、現地のテックコミュニティーと関わりを持ったり、実際にユーザーと触れ合ったりできる機会を探してきました。今回のNY TechDayは、私たちにとっては絶好のタイミングでした。

NY TechDayとは?

今年で4年目となるNY TechDayは、4月23日に開催されました。毎年恒例の大規模なITイベントで、今年は計400社以上のスタートアップがブースを出し、1万人以上の来場者があったそうです。来場者は、IT業界の人はもちろんのこと、テック好きやIT系のトレンドを知りたい人が多かったように思います。また、投資家やこれから起業しようとしている人、メディアの姿もちらほら見かけました。

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「Your ideas. Our canvas」

出展の準備をする上で、私たちが一番気にしたことは「どうしたら我々のブースに足を止めてもらい、記憶に残る経験を提供できるか」ということでした。おそらく多くの来場者はCacooのことを知らないでしょうから、分かりやすいキャッチフレーズを掲げようということになりました。

そして考え出したのがこれ! 「Your ideas. Our canvas(あなたのアイデアを私たちのキャンバスに)」。これには、頭に浮かんだアイデアを真っ白なキャンバスに描き、そして他の人たちとコラボしてそのアイデアを膨らませてください、という意味合いが込められています。

さらにブース周りを魅力的にしようと、いろいろと検討を重ねました。まずは来場者に「これは何?」と興味を持ってもらうために、Cacooのキャラクター「Cacoo Ninja」が入った二つの大きなバナーを準備しました(アメリカ人は忍者が大好きですからね!)。Cacooの情報を掲載したフライヤーは、ただのフライヤーではなくもっと楽しいものにできないかと考え、折りタイプのものを作りました(まるでプレゼントをあけるような感覚で開いてもらえるように!)。私たちのブースからたくさんグッズを持って帰ってもらえるように、無料のプロモーショングッズも用意しました。ラップトップに貼ってもらえるようなかわいいステッカーシールとか、M&Mチョコレート(もちろんCacooカラーの青!)とかね。

中でも一番人気のプロモグッズは、ヌーラボのオリジナルイラストが施された、「アメリカンアパレル」製のTシャツでした(下の写真でスタッフが着用しているもの)。このイラストは、サイモン・オックスリーさん(*)によるもので、イベントでは「このTシャツはどうしたらもらえるのか?」と多くの方に聞かれました。 

(*)サイモン・オックスリー: GitHubのオクトキャットやTwitterの小鳥(初代)などをデザインしたことでも知られる、イギリス人グラフィックデザイナー。

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イベント当日、準備のために早めに会場に着いたNYチームは、たくさん風船を飾ったり、Tシャツをブランドロゴが分かりやすいように折りたたんでテーブルに飾っている他社のブースを見ながら、いろいろと参考にさせてもらいました(今回できなかったものは次回生かします!)

さて、イベントは午前10時にスタート。オープンと同時に来場者がドドッと入ってきました。閉館の午後5時半までの7時間半、来場者は自分のお気に入りのブースを見て回るのです。

「7」で思い出したのが、マーケティングの世界で古くからいわれる「7」のルール(The Rule of 7)。これは、ビジネスをする上で何かを決定する際は7通りの方法で7回コミュニケートすることが大切だという教えです。私は7つの方法を思いつけなかったけど、この日のイベントでは「Push for Pizza」と「UrbanStems」という二つのスタートアップのコンセプトやPR方法が興味深かったです。

まずPush for Pizzaは、最寄りの店でピザを “すぐに簡単に”注文できる携帯アプリです。彼らのPRは、① スタッフ自らが、「ピザ」を連想させるような、ペペロニのイラスト入りのかわいくてポップな赤白Tシャツを着て目を引いた。② 思わず笑っちゃうようなおちゃめなピザキャラクター(写真下)が1日中会場を練り歩き、さらに注目を集めていた。(うちのスタッフも記念撮影して楽しんでいました〜)③ 昼過ぎに無料ピザを配布(ブースはすごい人だかりでした)。④ アプリを使ってオーダーすると初回が割引になるクーポンを配布———、というものです。

実はヌーラボのスタッフもイベントが終わった後、オフィスに戻って軽い打ち上げで、早速そのクーポンを使ったんですよ(イベント後のピザとビールが美味しかったのは、言うまでもありません!)

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一方UrbanStemsは、まさに“green thumb”(緑の親指=園芸のこと)。彼らが提供しているサービスは、注文に応じてブーケを作り、最速で1時間以内に宅配するというもので、この日の展示はお花屋のポップアップストアのようでした。来場者がブースで自分の好きな花をピックアップすると、スタッフがその場でササッと綺麗なブーケを作ってくれました。綺麗なブーケをもらって嬉しくない人はいないでしょうから、ここもすごい人だかりでしたよ。

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アイデアを広げる秘訣

私はこの日、Cacooブースを出した経験を通して、また他のブースを観察することからも、Cacooのサービスを広げるためのアイデアをいくつか得ることができました。

実は私が最近読み始めた本に、『The Fortune Cookie Principle: The 20 Keys to a Great Brand Story and Why Your Business Needs One』(フォーチュンクッキーの法則: 素晴らしいブランドストーリーへの20 の鍵と、あなたのビジネスがそれを必要とする訳)というのがありますが、この本を読みながらもいろいろ考えさせられます。

フォーチュンクッキーというのは、中華料理屋さんに行くと食後に必ずといっていいほど出てくるお菓子ですが、この本は、すべての革新的なアイデアや製品、サービスは、クッキーとフォーチュン(幸運)という二つの要素を併せ持っているということを教えてくれます。クッキーというのは手で触れる物。フォーチュン(幸運)というのは、人が感じること。それらは製品やサービスに価値を与えるものです。このNY TechDayで特に注目の的だったスタートアップは、この「フォーチュンクッキーの法則」を理解し実践しているようでした。

例えばPush for Pizzaは、彼らのサービスをイベントで体感してもらえるように、来場者にお得感と手軽さを感じさせてくれました。UrbanStemsも、彼らのサービスをその場で素早く実践し、来場者に特別感を与えてくれました。ピザの宅配もフラワーアレンジメントも、それ自体は全く革新的なアイデアではありませんが、この2社のPRは人々の興味を引くもので、さらに「利用してみようかな」という思いにさせてくれる経験を提供していました。

 人々の記憶に残り、購買や契約などの行動を起こしてもらえるような手段を考えるとき、先述の「7」のルールを実践すると良いでしょう。また、ユーザーと信頼に基づいた関係性を作り、それを築き続けることで、きっとそのユーザーはずっとその商品やサービスを使い続けてくれるでしょう。

今日(こんにち)、たくさんのスタートアップがIT市場に参入し、消費者やユーザー側には溢れるほどの選択肢があります。もし、まだ自分のサービスの知名度がない場合、それがどれほど良いアイデアかは特に大切なことではないでしょう。また、自分たちがうまく人の興味を引けない場合、どれだけ多くの革新的な機能が付いているか、というのも特に問題ではないと思います。人々は物を買うのではなく、自分たちが感じることへの対価を支払ってくれるのですから。

これらの経験を通して学んだことは、次回生かせるようにがんばっていきます。今後のヌーラボにさらにご期待ください!

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