北米〜南米〜中東 … 世界中のテック業界を繋ぐ男- Part 1

明けましておめでとうございます! 今年もニューヨークからテック関連の有益な情報を発信していきたいと思います! 

年明け第一弾は、ニューヨークをベースに活躍する起業家、アドリアン・アヴェンダノさんにインタビューをしました。

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アドリアンさんは世界中のテックコミュニティーを繋ぐために、ある試みをしています。南アメリカのテック業界に特化した「LATAM (ラータム) 」と、中東&北アフリカのテック業界に特化した「 MENA (メナ)」の二つの団体を立ち上げ、交流イベントを行っています。

今回は、アドリアンさんが世界に目を向けるようになったきっかけや、世界各国のテック事情について話をお伺いしました。

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【Profile】

Adrian Avendano(アドリアン・アヴェンダノ

LATAM & MENA:主宰者 / LanguageHunt (英語学習アプリ):CEO

メキシコシティ生まれニューヨーク育ち。これまで チリ、アイルランド、ドイツ、オランダ、デンマーク、イギリス、アメリカのサンフランシスコなどに住む。2008年、アイルランドで創業して以来、起業家として六つの事業を立ち上げた。2014年、英語教師を探すためのモバイルアプリ「LanguageHunt」と、テックミートアップ「LATAM」をスタート(詳細: TechStem )


たくさんの国にこれまで住んできた、そのいきさつから教えてください。

メキシコシティ生まれの私はこれまでの人生の3分の1をメキシコシティで、また3分の1をアメリカで過ごし、メキシコシティとロンドンとコペンハーゲンの大学に通いました。2006年、オランダにあるソフトウェアの会社に就職し、その後アイルランドに引っ越してそこでも別のソフトウェアの会社で働きました。そして1年後に退職し会社を立ち上げました。またそのころはよくベルリンにも行き、テック業界の方々と交流したりしていましたね。その後、チリ政府が主宰するプログラムの一環「StartupChile」 から投資を受けることになりチリへ。現在はニューヨークをベースに活動していますが、世界中を旅しながらの生活で、これまで訪れた国は50カ国にものぼります。

LATAM では具体的にどういう活動をしているのですか?

アメリカと南米の国々のテック系スタートアップのエコシステムを繋ぐことを目的に、ミートアップ・イベントなどを行っています。昨年ニューヨークで立ち上げたばかりですが、現在はサンフランシスコやマイアミなどでも定期的にイベントを開催し、メンバーは2万2000人を超えています。

立ち上げのきっかけは何だったのですか?

チリに7ヵ月住んだ後、南米を旅しました。そのときに、この数年で南米諸国のテック系スタートアップにとても活気が出てきたなというのを肌で感じました。その後ニューヨークに戻ったのですが、ここでは南米のテック系の勢いがあまり知られておらず、また南米の繋がりもあまりないことに気付き、それらを繋げたいと思ったのです。

“繋げる”というのは私が携わる事業すべてにおいて共通していることです。私の情熱はお金儲けではなく、人々とそのアイデアを結びつけることです。

これまでに行ったイベントで代表的なものは?

著名な起業家や投資家をゲストスピーカーとして招いてイベントを行ってきました。代表的なものは、 Meetup CEOのScott Heifermanさんや、Stripe コファウンダーのJohn Collisonさん、KLOUT 創業者のJoe Fernandez さん、Duolingo コファウンダーのJose Fuentesさん、General Assembly CEOのJake Schwartzさん、Singularity University のVivek Wadhwaさんなどを迎えたイベントです。それらは参加者からの反響も大きかったです。

2015年6月、ニューヨークで行った「LATAM」ミートアップ。ミートアップの創業者、Scott Heifermanさんを迎え、会場は満席になった2015年6月、ニューヨークで行った「LATAM」ミートアップ。ミートアップの創業者、Scott Heifermanさんを迎え、会場は満席になった

ミートアップの創業者、Scott Heiferman(右)とアドリアンさんミートアップの創業者、Scott Heifermanさん(右)とアドリアンさん

「MENA」の立ち上げのエピソードについても教えてください。

「MENA」は2015年にスタートしたばかりです。昨年イラン、トルコ、キルギス、ロシアを旅したのですが、特にイスタンブールとイランで、新たなテックシーンの盛り上がりに非常に感化されました。イランではイラン政府がインターネット規制をしている状況ですが、couchsurfingなどを通して教養のある素晴らしいテック系の人々とたくさん出会いました。これらの経験を通しても、アメリカと中東や北アフリカのテックシーンを繋ぎたいなと思いました。

ちなみにイランのインターネット規制事情について補足ですが、かなりひどい状態です。特に英語のウェブサイトは基本的に見れず、私が滞在中に見れたものは唯一、Wikipediaだけでした。それでもイランの若者はVPNを使って、政府の規制をすり抜けスマホをうまいこと駆使していますよ。

2015年12月、ニューヨークで行った「MENA」2015年12月、ニューヨークで行った「MENA」

「MENA」(同上)。 ゲストスピーカーに、endeavor VPのDaniela Terminelさん、 Startup Cuba コファウンダーの Alberto R. Tornesさん、テックファウンダーのRichard Fallahさんや Sam Friedman さんらを迎えた「MENA」(同上)。 ゲストスピーカーに、endeavor VPのDaniela Terminelさん、 Startup Cuba コファウンダーの Alberto R. Tornesさん、テックファウンダーのRichard Fallahさんや Sam Friedman さんらを迎えた

南米や中東&北アフリカのテック業界にどんな可能性を感じていますか?

ここ数年、それぞれの地域で新しいスタートアップがどんどん誕生し、テック関連の盛り上がりがすごいことになっています。何より人口の3分の2が35歳以下なのですから、可能性を感じずにはいられません!

LATAMやMENAにはどのような参加者が多いですか?

約半分の参加者はスタートアップの経営者、もしくはこれから起業する予定の方です。そして残りの半分は、テック業界で働いていたり、南アメリカや中東などのテック系エコシステムに関心を持ち、学んだりコネクションを広げたりしたい方たちです。年齢は40歳以下の方が主流ですね。

どのくらいの頻度で開催しているのですか?

だいたい6週間から8週間ごとに、ニューヨークとサンフランシスコとマイアミで交互に開催しています。


Part 2につづく!  次回は各国のスタートアップ事情についてお伺いします)

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