Backlogのユーザーコミュニティ「#JBUG」による350名規模の1DAYイベント #BacklogWorld 2019 を終えて

※このブログは、株式会社ヌーラボ コミュニティマネージャーのMeggyによる「コミュニティマーケティング」についてのポエムブログです。Backlog World 2019のイベントレポートをお読みになりたい方は、イベントサイトのまとめから、ご参加者のみなさまによるイベントレポートブログをチェックしてください!

目次


JBUG主催のイベント「Backlog World 2019」、大盛況のうちに幕を閉じました

住んでる場所や勤めている会社などがバラバラの、Backlog World 2019運営メンバー

こんにちは。ヌーラボでコミュニティマネージャーを務めております、Meggyです。プロジェクトマネジメントの祭典「Backlog World 2019」が、2019年1月26日(土)に開催されました。私の感覚としては、「ようやく当日を迎え、無事に終わりました。」という感覚が強いです。なぜなら、この1日のために、Backlogのユーザーコミュニティ「JBUG」のメンバーを中心に結成された運営メンバーのみなさんと共に、半年間ずっと準備を重ねてきたからです。終わったんだなぁ。

Backlog World 2019にご来場いただいたみなさま、Backlog World 2019の開催を支えてくださったスポンサーのみなさま、セッションやLT、GPAのスピーカーや審査員としてお話しいただいたみなさま、司会&カメラマンとしてサポートしてくださったみなさま、改めて本当にありがとうございました!

2018年、ヌーラボ主催で開催した、プロジェクト管理に関わる全ての方のための祭典「Backlog World」。イベントの主体をヌーラボから「JBUG」へ渡して開催されたBacklog World 2019は、結果として、スポンサー企業様の数、ご来場者数、イベントレポートブログなどが大幅に増加しました。Twitterの発信を見ていても、ご来場いただいたみなさんがとてもポジティブな感想をお持ちいただいているのが分かります。そして、なんとなく、ご来場者のツイートには「自分もイベントを作った一員だ」という雰囲気があるように見えます。

さて、「JBUG」とは「Japan Backlog User Group」の頭文字で、「ジェイバグ」と発音します。その名の通り、ヌーラボが提供しているプロジェクト管理ツール「Backlog」のユーザーグループです。ユーザーグループというのはつまりコミュニティで、【ヌーラボ:ユーザー】という構図ではなく、【ユーザー:ユーザー】の構図で、プロジェクト管理の知見などを共有するためのイベントなどをユーザーさんが主体で行なっています。コミュニティマネージャーである私は、そのイベントの運営支援や、ユーザーさん同士の連結などのサポートを行なっています。

「コミュニティによるイベント運営」の実現に必要なものはなにか?

繰り返しになりますが、Backlog World 2019は、この「JBUG」が運営したイベントです。300名規模、スタッフやスピーカー様なども合わせると350名以上のイベントを、Backlogのユーザーさんがボランティアで集まってゼロから計画し、開催したわけです。そして運営メンバーはもちろん、参加された方も、「自分もイベントを作った一員だ」と言わんばかりにブログやツイートで情報発信を行なってくださっています。

Backlog World 2019の運営メンバーのみなさんには、本業があります。お忙しい方ばかりです。Backlogは代理店制度などもないので、運営に関わることで得られる金銭的なメリットも特にありません。自社サービスにも関係ないし、個人的にお金をもらえるわけでもないし、ミーティングや準備に時間が取られるし、土曜日の終日イベントも参加しなければならない。ただただ大変なだけに感じませんか?自分だったらやるかなぁ、と考えると、なかなか首肯できません。

イベント準備は、主にBacklogとTypetalkを使って行われました

それでも、Backlog World 2019の運営には、運営委員長のジョージさんをはじめ、ざっと30名ほどのBacklogユーザーさんが携わってくださいました。ちょっと信じられない話ですが、その誰もが、会場の秋葉原UDXさんとのやりとりや、ノベルティ制作、ケータリング発注、そしてイベントサイトや申し込みシステム制作…私と同じ、いやどう考えても私以上に、Backlog World 2019にコミットしてくださったんです。

一体何がそうさせるのか。少し考えてみると、「乗りかかった船だから」といった個人の責任感だけではなく、他に3つの要素があるように感じられます。

  1. イベント要素:イベント運営に携わること自体で得られる楽しさ
  2. ヒト要素:あの人も頑張ってる!自分も役に立ちたい!という気持ち、やりがい
  3. ビジョン要素:[プロジェクトマネジメントが「はたらく」を楽しくする]という確信

1.イベント要素:イベント運営に携わること自体で得られる楽しさ

まずは「イベントゆえの楽しさ」。中〜大規模イベント運営に携わったことがある方であれば実感があると思いますが、イベントという非日常には、言い知れぬ楽しさがありますね。「自分たちの想いが伝わるコンテンツはどんなものだろう?」「会場どうする?装飾は?」などと話し合いを重ね、コミュニケーションの行き違いなども経て(笑)、集大成としてイベント当日を迎えます。企画はもちろん、日頃の業務とはまったく異なる体験などを通し、みんなでひとつのモノを作っていく楽しさ。「もちろん忙しいし、お金がもらえるわけじゃないけど、イベント運営って単純に楽しいじゃん!」これは、とても分かりやすい動機ですね。

2.ヒト要素:あの人も頑張ってる!自分も役に立ちたい!という気持ち、やりがい

Backlog World 2019運営メンバーのキックオフは、2018年7月31日でした

2つめは、「ヒト」。こんなにもデジタルな世の中ですが、私たちは、自然と「仲間」を大切にしてしまう愛すべき性質を持ち合わせているのかもしれません。Backlog World 2019運営メンバーのみなさんとオンライン会議を重ねていくにつれ、「あの人はこんなに頑張ってくれてる」「あの人の動き素敵だな」「自分もみんなの役に立ちたいな」という空気がどんどん作られていったように感じました。

そうやって年齢や住んでいる地域、日頃のポジションなど軽く飛び越えて、お互いへの感謝と信頼をベースに、次々と来る締め切りに追われながらもひとつずつ準備を進めていきました。結果として、半年間誰ひとり抜けることなく、イベント当日を迎えました。

実際、運営メンバーの方に「なんで運営やってくださってるんですか?」と聞くと、大体は「なんででしょうね?楽しそうだからですね」とか「みんな頑張ってるからです」とおっしゃってました。みなさん、ほーんと、いい方なんだよなぁ。

3.ビジョン要素:[プロジェクトマネジメントが「はたらく」を楽しくする]という確信

実は、一番大事な要素なんじゃないかと思っているのがこの「ビジョン」です。楽しかったりヒトが好き、というのは、メンバーの能動的な動きに拍車をかけてくれると思うのですが、そもそも能動的に動こうと思うためには、コミュニティが目指すものに強く同意してもらうことが必須なのではないかと思うのです。

たとえば、「JBUG」の場合、 [ Backlog好きさんを集める ] ではなく [ プロジェクトマネジメントの知見を共有し、「はたらく」を楽しくする ] を目指して、イベント開催などを行なってきました。そうすることで、短期成果を求めるセールス的視点のイベント設計ではなく、「参加者の為になるかどうか」を軸にした、友人や同僚を誘って何度も来たくなる場を作っていけると思うからです。もちろん「Backlog」のユーザー会という位置付けなので、メインとなるご参加者は「Backlog」ユーザーになりますが、現にこれまで行なったイベントなどでも、「Backlog」がまったく登場しないセッションもいくつもあります。「Backlog」を使ったことのない方もイベントに来てくださいますし、「元ユーザーさん」もいらっしゃいます(笑)。

軸となるのは「プロジェクトマネジメントのレベルが上がったら、誰もがはたらきやすくなるに違いないよね!」という同意。コミュニティマネージャーも、「Backlog」開発者も、同じコミュニティメンバーとして、ユーザーさんと一緒に「次どういうテーマでやるのが良さそうですかねー?」なんて言いながらイベントを設計していっています。

今回、Backlog World 2019もまったく同じ姿勢で、運営メンバーで話し合いを重ね、なるべくツール論に寄りすぎないコンテンツとなるよう、セッションのご依頼などを行いました。もし、単なる「サービスの売上増加のため」のイベントで、掲げられているビジョンが建前に過ぎなければ、わざわざボランティアで一緒に運営しようなんて思う人は多くないはずです。

(改めて、[プロジェクトマネジメントが「はたらく」を楽しくする] をまっすぐ見つめて、プロジェクトマネジメントの一大イベントを創り上げようと一緒に走りきれた半年間の日々、運営メンバーのすべての方に感謝するばかりです)

コミュニティマネージャーは、コミュニティメンバーが繋がる「核」を大事にしよう

これまで書いてきた通り、「JBUG」によるBacklog World 2019の開催を通して、「コミュニティマーケティング」に関する自論がより強固になったので、ここからは「コミュニティマーケティング」について書いていきます。

専任の営業メンバーがいないヌーラボは、これまで、口コミやインバイトにより、ヌーラボが提供するコラボレーションツール「Backlog」「Cacoo」「Typetalk」のユーザー数を伸ばしてきました。中でも、プロジェクト管理ツールの「Backlog」が(おそらく)最も知られているサービスで、現在は100万人を超える方に利用されています。1つの組織内で終えられるプロジェクトではないケースも多いため、【組織外の方を招待して一緒に使い始める→その方がプロジェクト管理の良さを体感し、自社でも導入】というような流れがとても多いのです。

そういった「インバイト・口コミが起きやすい」事業領域特性(=プロジェクト管理ツール)に加え、2017年当時すでに多くのユーザーさんが日本中・世界中にいらっしゃったこと、さらに、SNSで「Backlog」の話を見ることもたびたびあったので、もっとコミュニティ活動として仕組み化しよう!という流れになり、2017年6月に「JBUG」というユーザーグループを立ち上げました。その際にコミュニティマネージャーとして就任したのが私です。でも実は当初、私は、「コミュニティ」「マーケティング」を上手に頭の中でくっつけることができず、悩んだ時期がありました。

「コミュニティ」は、「共通の」という意味のラテン語communis(コムーニス)を語源とした言葉で、興味や趣味・目的などを共有し、自らの意思で集まる人たちのこと。「マーケティング」は、自社サービスを売るために行う市場調査や販売、宣伝などの企業活動のこと。そのふたつを単純に繋ぎ合わせると、「コミュニティ活動を通して自社サービスを売る」ということになりますね。

でも、考えてみると、自らの意思で参加したコミュニティなのに、どこか一社のセールス目的の色がとても強いイベントばかり行なわれていたら、あるいは参加人数やツイート数などのKPIだけを必死に追っていたら、私ならもう行きたくありません。

加えて、「Backlog」はプログラマブルなサービスではない(個人の努力で工夫できることといえば「使い方」とか「API連携」ぐらい)し、代理店制度もとっていません。そんな「Backlog」を無条件に愛してくれるユーザーさんも(ありがたいことに)一定数いらっしゃるのですが、拡張性が限られてしまいます。

そんなことを、「JBUG」発足時から、ジョージさんやメガネさんに相談するうちに、シンプルに「コミュニティ」を大事にすればいいんだ、という考えに行き着きました。「JBUG」のコミュニティメンバーが繋がる「核」を大事にして、その結果、長い目で見たら「Backlog」のマーケティングになってる! 的な状態を描くことにしたのです。

以前、テンタスさんの「&餃子」で発表した資料から抜粋しました

「JBUG」は、今年で丸2年になるコミュニティです。東京だけでなく札幌、神戸、岡山、広島、福岡、沖縄などでもオフラインイベントを開催し、ご参加者はのべ400人を超えています。Backlog World 2019には、岡山や広島、札幌での「JBUG」オフラインイベントに参加した方が、わざわざ東京まで来て参加してくれました。また、たとえば札幌では私が参加しないオフラインイベントがユーザーさん達によって行われる状態になっていますし、Backlog World 2019運営メンバーは、早くも2020の話をし始めています。「JBUG」のメンバーの方々の中には、Twitterのカバー画像やプロフィールに「JBUG」とか「Backlog」とか入れてくれる方がどんどん増えてきました。こういう現象は、長い目で見てコミュニティ活動を継続してきたからこそだと振り返っています。「マーケティングなんだから、短期でちゃんと数字的成果を出さなきゃいけないんじゃないか」と思い悩んでいたままだったら、ずいぶん前に「もうコミュニティは辞めましょう」と言わざるを得なかったかもしれません。

私もまだまだ素人ですが、「コミュニティマーケティング」にこれから取り組みたい方は、ハッシュタグがトレンド入りすることやオフラインイベントの開催回数・参加人数に捕らわれすぎず、短期的な売上増加やマーケティングの仕組みづくり、べき論に固執せず、長い目でユーザーさんと一緒に「ビジョン」を大事にコミュニティを育てていくことをオススメします。

そんなヌーラボでは、現在コミュニティマネージャーを募集しています!!!

さて、私たちが大事に育ててきたコミュニティ「JBUG」とも協働して、ヌーラボのコミュニティをさらに拡大していってくださる方を探しています。これまで書いてきた通り、「ビジョン」を大事に、コミュニティメンバーを大事に、自分も頭や手足をめいっぱい動かして、楽しみながら取り組んでいただける仕事内容だと思います。興味がある方はぜひこちらから応募してみてください! 一緒にはたらきましょう!

っていうかこの顔ガチすぎじゃない?普段もう少しマイルドなつもりだったんですが?

最後に…Backlog World 2019運営メンバーのみなさんへ

…とかウェットなこと書き出しちゃうのが私なんですが、ウェットな挨拶はもう懇親会で済ませたので、感謝の気持ちだけもう一度。Backlog World 2019の準備、大変でしたよね。みんなリモートだからテキストメインの会話だし、なかなか思いがちゃんと伝わらなかったり、時差があったり、もどかしい思いもあったのではないでしょうか。

それでもなんとか当日を迎えて、初めてその場で顔を合わす人がほとんどの中、任せっきりだったものはそれぞれのご担当者によって全部しっかり準備されていて。大きなトラブルもなく、運営メンバー用のオレンジ色のTシャツは最高に分かりやすくて笑、参加してくださった方々は「お弁当が美味しい」「セッションがめちゃくちゃ勉強になる」「ブースツアーが楽しかった」「良いイベントだった」って発信してくれて。あの日は、パズルのピースがハマっていくような感じで、もう最高でしたね。最初から最後まで、みなさんのおかげです。

Backlog World 2019は、みなさんのおかげで、私がヌーラボに入社してから今日までで、一番思い出深い仕事になりました。引き続き、プロジェクトマネジメントをどうやって広めていこうか、どうやったらはたらくがもっと楽しくなっていくか、相談に乗ってくださると嬉しいです!!

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