ヌーラボCEOも登壇! 日本とNYのテックシーンを繋ぐ一大イベント「イフコン」開催

4月11日(月)、日米のテック業界をもっと盛り上げるべく、その有志たちがニューヨークに集まり一大イベントが開催されます。日本とニューヨークのテックシーンを繋げるそのイベントは「If Conference」(イフ・カンファレンス、略してIf Con=イフコン)。

主要スピーカーには、在ニューヨークのスタートアップ日本人CEOをはじめ、シリコンバレーで活躍する日本人CEOやアメリカ人投資家らがラインアップ。ヌーラボCEO、橋本正徳もスピーカーとして登壇します! とにかく日米のテック系に興味がある人にとっては見逃せない内容になっています。

今回は、イフコンを主催するミートアップ・コミュニティー「Japan NYC Startups」の主要メンバー3人に、イベントにかける意気込みを聞きました。

22 2「Japan NYC Startups」および「If Conference」の主要メンバー。(左から)奥西正人さん、今岡優さん、トビー・ショーリンさん。以前日本に住んでいたトビーさんは日本語が堪能で、今回のインタビューにも日本語で応じてくれた。「私たち以外にもたくさんの方にサポートしていただいています」と3人

【主催者のプロフィール】

奥西正人(Masahito Okunishi):

起業家、エンジニア。LAとNYのインフラ系企業とNYの医療系スタートアップでエンジニアとして働き、昨年退職。「Rising Startups」を立ち上げながら、起業家にインタビューをしポッドキャストで配信中(【参照】奥西さんに関する記事

今岡優(Yu Imaoka):

マイクロソフトや電通などWindows 7 のリリースやB2Cマーケティング、新規市場開拓プロジェクトの立ち上げなどビジネスデベロップメントを経験。NYを拠点に東海岸/西海岸のスタートアップ企業の現地調査による情報発信や共同プロジェクト作りを経て、現在は金融系企業のIT部門でプロジェクトマネージャー職に就く。

トビー・ショーリン(Toby Shorin):

アメリカ人プロダクトデザイナー。日本とNYに顧客を持つ。NYの医療系スタートアップを経て、現在はフリーランスで活動中。ブロガーとしてデザインや政治、哲学などのトピックスをSubpixel Spaceで発信中。

【イベント概要】

日米のスタートアップの日本人起業家や日本にゆかりのある投資家などをスピーカーに迎え、両国やニューヨークの日系スタートアップ事情やコミュニティーの現状、アメリカ進出などを紹介するテック系イベント。主催元は、2015年より定期開催している日本とニューヨークを繋ぐテック系ミートアップ「Japan NYC Startups」。

日時:4月11日(月)12~8pm  (時間変更の場合あり。ウェブサイトでご確認ください)

会場:Microsoft Technology Center

11 Times Square, 6th Fl. (bet. 41st & 42nd Sts. and 8th Ave.) New York, NY, 10036, U.S.A.

料金:一般$20、学生&起業家$10


「“もし”こういうカンファレンスがあればどういう繋がりができるのか?」ーーその答えがある場所

まずは3人の出会いから教えてください。

奥西:2013年に「NY Tech Meetup」で初めて(今岡)優さんに会いました。優さんとは「日本とニューヨークのテックに関連するコミュニティーを作りたいね」という話になり、ミートアップとして「Japan NYC Startups」を昨年1月に立ち上げました。

その初回に参加してくれたのがトビーで、会が終わった後に話をし、その後トビーも主要メンバーとして一緒にやるようになりました。今では2ヵ月に一度の頻度で定期開催しています。

22015年2月よりニューヨークで定期開催している「Japan NYC Startups」

3「Japan NYC Startups」の記念すべき初回は、日本発スタートアップの代表として、ヌーラボNYチームもスピーカーとして登壇した

「If Conference」という名前にはどういう意味が込められているのですか?

トビー:これは僕が名付けたんですけど、まず「If」というのは日本語で「もし~ならば」ですよね。そもそも「Japan NYC Startups」が立ち上がった理由は、「なぜ日本とニューヨークを繋ぐテックコミュニティーがニューヨークにはないの?」という疑問からでした。「ないなら自分たちで作ればいいよね」ということで誕生したコミュニティーです。

この「If Conference」も、「こういうコミュニティーがあればいいよね」「もしこういうカンファレンスがあればどういったものが始まるか?」「どういった繋がりができるか?」という問いかけから始まりました。その答えを参加者に見つけてもらえたらいいなという思いを込めて。

「Japan NYC Startups」と「If Conference」の明確な違いって何でしょう?

奥西:「Japan NYC Startups」はもともとイベントやコミュニティーを大きくするのが目的ではなくて、日本に関わるスタートアップで働く人や興味がある人たちを対象に、定期的に集まれる場所を作ることを目的にやっています。今回新たに「If Conference」を立ち上げたのは「Japan NYC Startups」の集大成的なものができたらいいなと思って。

実は前からずっとやりたかったんです。でもそのときはまだニューヨークに日系テックコミュニティー自体がない状態でしたから、ゼロから集客するのはほぼ不可能だと思い、ある程度のコミュニティーを作ってそこをベースに次のステップを踏むのがいいと思ったので、まず「Japan NYC Startups」を立ち上げたのです。

でも「Japan NYC Startups」はミートアップという括りだから、それってMeetup.comのメンバーでないと僕たちのことを見つけづらいんですよね。だから「If Conference」では我々のコミュニティーとしてMeetup.comから少し外に出てみようということになったんです。

カンファレンスなので集客できる人数やメディアへの露出も増やせます。それによりニューヨークの日系テックコミュニティーの認知度が全米や日本でも上がればいいなと思います。

2016-01-13 22015年2月より定期開催している「Japan NYC Startups」。現在は偶数月に開催中。「今後も2か月に1度の頻度で続けていきます!」と奥西さん

当日のスケジュールはどんな感じなんですか?

トビー:午後1時から6時までの間に、日本とアメリカからスピーカーを迎えて、全部で10~15くらいのセッションを予定しています。

今岡:午前と午後にキーノートスピーチがそれぞれあります。具体的には、サンフランシスコのスタートアップ「AnyPerk」のCEO福山太郎さん、投資家のウィリアム・ロース(William Lohse)さんが、私たちのやっていることに賛同して登壇してくださります。

福山さんはシリコンバレーで最も有名な日本人CEOとして名を馳せている方。ウィリアムさんは日本とニューヨークを行き来している方で、投資先も日本のスタートアップが中心なので日本のスタートアップのトレンドもよくご存知です。

若手の福山さん、ベテランのウィリアムさんという違う目線から見た日米のスタートアップシーンを語っていただけるでしょう。

1(左から)福山太郎さん、ウィリアム・ロースさん、福山さんはサンフランシスコのスタートアップ「AnyPerk」のCEO。投資家のウィリアムさんは「Social Starts」ファウンダー/ジェネラルパートナー、「Pivot Conference 」創業者/CEOなど数々の肩書きを持つ

奥西:ヌーラボのCEO橋本正徳さんには、スピーカーの中で唯一日本から来ていただきます! ヌーラボの本社がある福岡は日本でもテックシーンが盛んな街で、その福岡のテック事情について話していただく予定です。

スピーカーはほかにも、現時点で以下の方が決まっています。

  • OKpanda」CEOアダム・グリース(Adam Gries)さん(日本人向けオンライン英語アプリ)
  • Material Wrld」CEO矢野莉恵さん(ファッション関係のスタートアップ)
  • Peatix」CEO原田卓さん(イベント管理サービスを提供)
  • The Flow Factor」レニカ・カルホーン(Renita Kalhorn)さん(日本に多くの顧客を持つエグゼクティブ・コーチ)

今ちょうどセッションの内容を細かくつめている段階です。情報が決まり次第ウェブサイトにアップします。

すばらしいラインナップですが、どのように決まったのですか?

奥西:これまでミートアップで登壇していただいた方に声をかけたり、あとは私たち3人だけの繋がりでは限界があるのでサポートメンバーや知り合いに紹介していただいたり、ですね。

masanori 2我がヌーラボのCEO、橋本正徳。スタートアップが元気な街・福岡のテックシーンを語る

コミュニティーの1年間の総括。そしてこれは新たな始まり

イベントの目玉はズバリ何でしょう。

トビー:目玉…??

今岡:ハイライトことね! 目のことじゃないよ(笑)

トビー:あぁ~、なるほど!(笑)えっとそうですね。マサ(奥西)さんと優さんと一緒に「Japan NYC Startups」を1年間一緒にやらせてもらって思うのは、今度の「If Conference」は「Japan NYC Startups」のコンセプトをまとめたイベントになるだろうってことです。

そして「If Conference」をやることで僕らにとっての新たなコンセプトが見えてくるかもしれない。なぜならこのイベントはシリコンバレーや日本からもスピーカーを迎えます。またニューヨークの日本人コミュニティーだけではなくインベスターにも出てもらいます。いろんな人が関わることになるのでコンセプトがもっと広がるかもしれません。

今岡:そうですね。これが始まりのような気がします。これまでやってきた「Japan NYC Startups」より、イフコンは広範囲でさらにいろんな人や組織を巻き込んでいくので。例えば今回いろんな方から出演OKをいただいていますし、また日本政府関連の「JETRO」もアドバイザーとして協力していただいています。

3人がコミュニティーをがんばって継続してきた賜物ですね。

今岡:本当にありがたいです。日本からするとアメリカのスタートアップはシリコンバレーというイメージが強いですが、この1年間ニューヨークでもたくさんの日本人がスタートアップ業界でがんばっているのを見てきました。だからその活躍ぶりやこの街でスタートアップをするメリット、シリコンバレーとの違いなどを伝えられるものにしたいです。

1「Japan NYC Startups」の様子。毎回、日米のスタートアップに関心のあるアントレプレナーや投資家、エンジニアらが集まる

奥西:ハイライトとしては優さんとトビーが今お話したことなんですが、もう一つだけ付け加えるとするなら…。僕も改めて気づいたことだけど、テック系でもそれ以外でも繋がることって大切だなと最近改めて思います。でも海外に住んでいる日本人同士って繋がっていそうで実は繋がっていないというか。

例えばニューヨークでは韓国系やイスラエル系のテックコミュニティーが盛んに活動していて、彼らの活動を見ているとコミュニティーが結束しているからこそグループとしての大きな成功に繋がっています。

もう少し大きなコンセプトで考えてみると、今回僕らが企画しているのはテック系のイベントなんだけどテック以外の人たちもこういうことができるんだよっていうメッセージになって、海外でがんばっている日本人同士の横の繋がりができればいいですね。

自分は日本で生まれ育って日本人としてのアイデンティティーがあるのでお互い協力してやっていけるところはやっていきたいですし、イフコンが何かしらの刺激になって、次の新しいステップへと繋がっていけたらうれしいです。

 

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